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命を分け合う彼女たち
肺がんの末期と確定診断を受けたその日、私が最初にしたことは、江崎真吾(えざき しんご)に別れのメッセージを送ることだった。 医者は、長...
Chương (1)
第1章
肺がんの末期と確定診断を受けたその日、私が最初にしたことは、江崎真吾(えざき しんご)に別れのメッセージを送ることだった。
医者は、長くても余命は半年だと言った。そして真吾は、三秒も待たずに、たった一言だけ返してきた。【分かった】
彼は知らない。今回、私は気を引こうとしているわけじゃない。
私は確かに、彼を離れるのだ。
そして私が病床に横たわり、この鼓動を別の少女に託そうとしたその時……
彼はようやく崩れ落ち、ベッドのそばに膝をついて私にすがりついた。「行かないで……」
だが、もう、私の別れは、彼とは何の関係もなくなっている。
第1話
肺がんの末期と確定診断を受けたその日、私が最初にしたことは、江崎真吾(えざきしんご)に別れのメッセージを送ることだった。
医者は、私に残された時間は長くても半年だと言った。
メッセージを送って三秒も経たないうちに、画面が光った。
返ってきたのは、たった一言だ。【分かった】
私はそれを見つめ、画面を消した。
彼はきっと、これもまた私が何とかして彼の気を引こうとしているのだと思っているに違いない。
屋上は風が強い。
私はしゃがみ込み、炎が少しずつ、私たちのツーショット写真、彼がくれたブレスレット、そして危篤通知書を飲み込んでいくのを見つめている。
灰は風に巻き上げられ、渦を描きながら空の彼方へ消えていった。
私は立ち上がって階下へ向かい、もう振り返らなかった。
私たちが住んでいた家は、彼の幼なじみが治療のために帰国してから、日に日に冷え切っていっている。
私は急いで荷物をまとめ、病院の近くに小さな部屋を借りた。
だが、治療を始める前に、最後にこの世界を見ておきたい。
そうして海外行きの航空券を買い、ひとりで旅に出た。
湖のほとりで、のんびりと水をかく水鳥を眺めていると、スマホが鳴った。見慣れたその番号だ。
「今どこだ?」と、苛立ちを含んだ彼の声だ。「今回はいつまで騒ぐつもり?」
「私たち、別れたでしょ?覚えてる?」
「別れたと?」と、彼は冷笑した。「どうせいつも同じだろ。荷物をまとめて出て行って、数日したらまた自分から戻ってくる。今回は何が欲しいんだ?俺に全部投げ出して追いかけさせたいのか?」
湖面にきらめく光を見つめながら、私は急にひどく疲れを覚えた。
「ううん。私は何も欲しくない」
「もういい。いつもそうだ。出て行くことで俺を脅す。少しは大人になれないのか?」
「そうね」と、私は静かに言った。「確かに、私は大人になれないよ」
通話を切り、深い青の湖水を眺めながら、あの眠れなかった夜を思い出した。
午前二時、悪夢から飛び起き、心臓が激しく脈打ちながら、私は彼に電話をかけた。
「真吾、眠れないの……戻ってきてくれない?」
しばらくの沈黙のあと、疲れ切った彼の声が返ってきた。「彼女が病院で世話を必要としてる。分かってるだろ?どうしてこんな時に俺を困らせるんだ?」
「私はそんなつもりじゃ……」
「いつもそうだ。彼女に何かあると、君まで具合が悪くなる。そんなふうにしてまで俺の気を引きたいのか?」
あの時、私は何も言えなかった。
今になってようやく分かった。彼が私は演技をしていると決めつけた瞬間、どんな痛みも、すべてが芝居になってしまうのだ。
この十年間、幼さから成熟へと積み重ねてきた時間も、結局は彼の中にある私への固定観念には敵わなかった。
彼の心の中で、私は永遠に、手段を尽くして注目を集めようとする子どものままだ。
そして今、私はとうとう疲れてしまった。
スマホを機内モードに切り替え、私は再び湖で戯れる水鳥を眺めた。
陽射しは心地よく、顔に降り注ぎ、ほんのりと温かい。
今回は、本当に彼を離れるのだ。
……
旅を終え、私は再び鍵を使ってこのアパートの扉を開けた。
室内の空気は澱み、人の気配がない。
私はまっすぐ書斎へ向かった。目的ははっきりしている。母親が亡くなったときに残してくれた、あの古いブローチだ。前回出て行くとき、心が乱れていたため、うっかり置いてきてしまった。
引き出しを開け、見覚えのある柔らかな布包みを見つけたその瞬間、玄関から鍵の回る音がした。
足音が近づき、書斎の扉の前で止まった。
振り返らなくても、背中に注がれるその視線を感じ取れた。
真吾は、わずかに嘲るような声で言った。「ふん、ずいぶんと潔く出て行ったじゃないか。どうした?外での暮らしが合わなくて、尻尾を巻いて戻ってきたのか?」
私は布包みをそっとコートのポケットに入れ、それから振り返った。
彼はドア枠にもたれ、腕にスーツの上着をかけ、ネクタイは緩み、隠そうともしない品定めの視線を向けている。
私は疲れのにじむ彼の顔を静かに見やり、「忘れ物を取りに来ただけ」と告げた。
第2話
真吾は口元に嘲るような弧を描き、私の何も持っていない両手に視線を走らせた。「忘れ物?この家にわざわざ戻ってくるほどのものが、まだ残ってるとでも?」
彼はさらに二歩前に出て、私を見下ろすような口調で分析し始めた。「認めろよ。結局、俺よりいい男が見つからないだけだろ。家出なんて形で俺の気を引こうとするのも、一回ならまだしも、何度もやれば嫌われるだけだ」
それを聞くと、胸の奥が、細かな埃で塞がれたみたいに重くなってきた。
見慣れたその顔を見つめながら、私たちの間には、決して突き破れないガラスの壁があるように感じた。
私は返事をせず、本棚へ向かった。そこには、私がよく読んでいた本がまだ数冊残っている。「これらの本を取ったら、すぐ出ていく」
真吾は、私が棚の上段にある本に手を伸ばすのを見た。あれは、かつて彼が誕生日にくれた本だ。
彼の視線がわずかに揺れ、口調も少し和らいだが、棘は消えなかった。「その本、最後の半分は一緒に読み終えるって言ってただろ。今さら持っていく気になったのか?」
私の手は一瞬、空中で止まった。そしてその本を飛び越え、その隣に並んでいる、心理学の専門書の二冊だけを抜き取った。
本を胸に抱え、私は冷静な声で言った。「約束にも、期限切れってあるし」
玄関へ向かうと、彼も思わず後を追ってきた。
私が本当に出て行こうとしているのを見て、真吾の声に焦りが混じった。「そこまでする必要があるのか?物を放っておけ!」
今回は、私は一瞬たりとも立ち止まらなかった。
玄関で本を置き、キーホルダーから手早く銀色のアパートの鍵を外し、下駄箱の上にそっと置いた。
金属が大理石に触れ、澄んだ音を立てた。
私は振り返った。「忘れ物は全部取った。鍵、返すね」
そして再び本を抱え、ドアノブを握り、最後に一度だけ顔を横に向けた。さらに、ため息のように、かすかな声でこう言った。
「真吾。迷って戻ってきたんじゃない。あなたに、別れを告げに来ただけなの。
もう、二度と来ないから」
……
私は、あの見慣れた病院に戻ってきた。消毒液の匂いは相変わらずで、なぜか心を落ち着かせてくれる。
静まり返った廊下で、私は採血の順番を、列の最後で待っている。
診断を受けたあの日、なぜ肺がんになったのか、私は医者に尋ねた。
煙草も吸わないし、酒も飲まない。
医者は眼鏡を押し上げて言った。「がんの原因はとても複雑です。遺伝が土台にあり、長期間の精神的ストレスや、吐き出せない思いも引き金になります」
少し間を置き、彼はこう続けた。「多くの患者さんは、見つかった時にはすでに中期から末期なんです」
寝返りを打ち続けた夜、動悸がして息もできなくなった瞬間、引き出しに増え続けた抗うつ薬。すべてが、ここへ繋がっているのか。
運命はとっくに筋書きを書き終えている。私が今になって、ようやく最後のページをめくっただけだ。
不思議なことに、結末を知った途端、かえって気持ちは軽くなった。
残された時間が少ないなら、最後くらい、自由に生きたっていい。
「次の方」と、看護師の声が、思考を遮った。
立ち上がろうとしたその時、廊下の向こうに見覚えのある姿が目に入った。
真吾が長野琴音(ながの ことね)を支えながら診察室から出てきた。仕草はひどく優しい。
彼も私に気づき、表情が一瞬で曇った。
彼は大股で近づき、琴音を半分かばうようにして言った。「俺たちを尾行してたのか?」
十年も愛してきたその顔を見つめながら、私は急に、他人のように感じた。
「病院は公共の場よ」と、自分でも驚くほど、私の声は落ち着いている。
琴音が彼の袖を引いた。「たまたまかもしれないし……」
「たまたま?」と、真吾は冷たく笑い、私の手にあるカルテに視線を落とした。「腫瘍科から出てくるのも偶然か?俺の気を引くためなら、今度は不治の病だなんて嘘までつくのか?」
周囲で待っている人たちの視線が、一斉に集まった。
私は大きく息を吸い、指先が掌に食い込むのを感じた。「あなたの中では、私はあなたの関心を引くこと以外、何もできない人間なの?」
「違うのか?」と、彼の声には怒りを含んでいる。「前はうつ病、その前は動悸、そして今度はがん?少しは大人になれないのか?」
私は思わず笑ってしまった。彼の思い上がりを、そして、この十年の感情そのものを。
第3話
「そうよ」と、私は低い声で言った。「仮病なの。もう芝居は終わった。これで、帰ってもいい?」
彼は言葉を失った。まさか私が、こんなにもあっさり認めるとは思っていなかったのだろう。
琴音が、ちょうどいいタイミングで軽く咳払いをした。「真吾、ここは人が多いわ。行こうよ」
背を向ける前に、彼女は一度だけ振り返って私を見た。その眼差しには、申し訳なさと、言葉にできない複雑な感情が入り混じっている。
私は彼女に、そっと微笑み返した。
二人が遠ざかっていく背中を見送りながら、ふと、あの冬の夜を思い出した。
私は暖炉の前で本を読んでいた。彼はドアを開けて入ってきて、私の冷え切った手に触れるなり、何も言わずに自分のセーターの中へ押し込んだ。
「これで寒くないだろ」と、そう言って笑った彼の目は、星をいっぱいに閉じ込めたみたいに輝いていた。
今、ここに立っている私は、手は相変わらず冷たいままだ。でも、心はそれ以上に冷えている。
それなのに不思議と、頭だけはこれまでになく冴え渡っている。
琴音は悪くない。彼女はただ病気で、彼が彼女を守りたいと思っているだけだ。
私も悪くない。ただ、少し間違った人を愛してしまっただけだ。
あれほど私を眠れなくさせていた執着が、ふっと消えた。
必死に掴もうとしていたものも、突然、どうでもよくなった。
看護師が、もう一度私の名前を呼んだ。
私は返事をし、手にした検査結果の紙に目を落とし、静かに採血窓口へと歩いていった。
……
病状が悪化してから、医者は入院しての集中的な治療を勧めた。
こうして私は二人部屋に移り、病室を家のようにして過ごす日々が始まった。
隣のベッドには、十歳の女の子がいる。左右で不揃いな二つのおさげを結び、私を見ると、行儀よく「お姉さん、こんにちは」と挨拶してくれた。
丸い頬と大きな目を見て、私は思わず微笑んだ。「お名前は?」
「洲崎萌恵(すざき もえ)って言うの。萌恵って呼んでいいよ」と、小さな脚をぶらぶら揺らしながら、彼女は答えた。
そうして、私たちは病室の仲間になった。
今日は日差しが心地よい。萌恵は紙切りに夢中で、顔が紙にくっつきそうなくらいだ。
「外に出て、少し日向ぼっこしない?」と、治療を終えたばかりで、まだ体がだるい私は、そう声をかけた。
「お母さんが、一人で外に出ちゃだめって」と、彼女は顔を上げず、点線に沿って慎重に花びらを切り取っている。
ちょうど萌恵の母親が不在なので、色とりどりの紙くずが散らばる机を見て、私は提案した。「私、ちょっと風に当たりたいし、一緒に行こうか」
彼女はすぐにハサミを放り出し、目をきらきらさせた。
メモを一枚残し、私は彼女の柔らかな手を取った。
「萌恵は、どうして入院してるの?」と、私は廊下を歩きながら、柔らかく尋ねた。
「ここが、いつも痛くなるの」と、胸を指しながらも、彼女の視線は窓の外の雀に奪われている。「お母さんが、ちゃんと調べなきゃって」
軽やかに歩くその背中を見つめ、私は胸の奥がきゅっと締めつけられた。
屋上の風は穏やかだ。私は壁にもたれて休み、萌恵は隣で拾った落ち葉を静かにいじっている。
しばらくすると、琴音の姿が目に入った。透析を終えたばかりなのか、顔色はやや青白い。
私たちは一瞬、視線を交わした。そこに火花や敵意はなかった。
彼女は少し迷ってから、遠すぎず近すぎない距離に腰を下ろした。
琴音が小さく言った。「ここ、空気がいいね」
私は目を閉じたまま答えた。「ええ」
しばらく沈黙が流れた。でもそれは気まずさではなく、痛みに疲れた二人が分かち合う静けさだ。
彼女はふいに、独り言のように口を開いた。「実は……真吾が心から笑っているの、もうずいぶん見ていないの」
私は少しだけ驚き、淡々と返した。「そう?」
「彼は私と一緒にいても、何かを果たしているだけみたい。病人の私を世話する、そんな任務を」
私が反応する間もなく、彼女は立ち上がり、そのまま去っていった。
空気は澄んでおり、風もやさしい。
小さくなっていく琴音の背中を見つめながら、二人の心の距離が、ほんの少し縮まった気がした。
……
萌恵の母親から、私は少しずつ、彼女の病状を知った。
先天性心疾患だそうだ。冠動脈は完全には塞がっていないものの、血流はほとんど通らない状態だという。
医者は、もうバイパスを作れる血管が見つからず、助かるには心臓移植しかないかもしれない、と告げたそうだ。
同じ病室の仲間として、私はこの子がどれほど健気かを、何度も目にしてきた。
狭心痛が起こると、彼女はいつも小さく身を縮め、両手で胸を押さえ、唇を噛みしめ、決して声を上げないのだ。
第4話
耐えきれないほど痛みが強くなったときだけ、歯の隙間から押し殺した嗚咽がいくつか漏れたりする。まるで、隅に身を潜めてひとり傷を舐める小さな獣のようだ。
彼女がそうする理由は分かっている。医療スタッフや、ほかの患者に迷惑をかけたくないのだ。
十歳という年齢は、本来なら何の憂いもないはずなのに、彼女はすでに我慢することを覚えてしまっている。
萌恵の母親は昼夜を問わず病床に付き添い、父親は外で出稼ぎをし、わずかな希望をかき集めている。
青白い笑顔の少女を見つめるたび、私は思う。もし病気さえなければ、彼女はどれほど幸せな子だっただろうかと。
同じ不治の病を抱える身として、私は初めてこれほどはっきりと、命の重さを感じた。
生死に対する執着をほとんど失った私のような人間が、絶望の中でも希望を手放さない人たちを見ていると、胸の奥がきゅっと痛む。
一方、同じ病院の入院病棟で、私は琴音と何度か偶然顔を合わせた。いつの間にか暗黙の了解のようなものが生まれ、黙って並ぶこともあれば、二言三言交わすこともある。
その日、私はベンチに座って本を読んでいると、琴音が自分から隣に腰を下ろした。
彼女は私の開いたページを見て言った。「何を読んでいるの?」
私は本を閉じ、表紙を見せた。『生きて』という本だ。
彼女は苦笑しながら言った。「状況にぴったりね」
遠くの芝生で走り回る子どもたちを眺めながら、私は言った。「ええ。昔は誰かのために生きていた。でも今は、自分のために一日生きられること自体が、もう贅沢だって分かった」
彼女も私の視線を追った。「分かる。私は生まれたときから腎臓病と闘ってきた。私の人生は、数えきれない『できない』でできてる。走れない、跳べない、好きなものも食べられない。いわゆる愛でさえ……盗んできた物みたいなもの」
そう言って彼女は私の方を向いた。「ごめんなさい。私の存在が、あなたを傷つけたって分かってる」
私は静かに首を振った。「誰も悪くない。ただ……私たちはそれぞれ、自分の物語に閉じ込められているだけ。私はもうすぐ解放されるけど」
彼女は慌てて身を乗り出した。「そんな言い方しないで。まだ治療だって……」
私は微笑んでその言葉を遮り、再び遠くに目を向けた。「琴音。もし、いつか自由になれたら、この世界をたくさん見て。
走って、跳んで、好きなものを思いきり食べて」
あなたが生きたい人生を、生きて。自分のために、一度くらい。
……
病室では、萌恵の母親が彼女を連れて気分転換に出かけた。治療を終えたばかりの私は、体の力が抜けたまま、ベッドにもたれて本を読んでいる。
陽光が差し込み、驚くほど心が穏やかだ。
誰かがドアを押し開け、果物籠をベッドサイドの棚に置いた。重すぎも軽すぎもしない音がした。
誰かの視線が私の顔に留まるのを感じた。続いてあの聞き慣れた声がした。「これで満足か?ここまで自分を追い込んで、俺に見せたかったのは、この結末だろ?」
視界の端に、病室には不釣り合いなほど立派な果物籠が映っている。私は視線を本のページに戻し、まるで風が吹き込んだだけのように一ページをめくり、静かに言った。「ドアを閉めるのを忘れないで。お願い」
真吾は苛立った様子で歩み寄り、私の手から本を乱暴に引き抜いた。表紙に『命の余韻』とあるのを見て、彼は冷笑しながら言った。「まだこんなの読んでるのか?こんな無様な姿で寝てるのも、俺に同情させたいからだろ?
目的は達成したじゃないか。俺はここにいる。言いたいことがあるなら、今言え」
私はゆっくりと顔を上げて彼を見た。自分の顔にはもう、かつての怒りも悔しさもない。ただ、弱り切った体のせいで、声は小さいが、はっきりとした、ほとんど憐れみに近い静けさがある。「真吾。あなたの同情が、私と何の関係があるの?
あなたのお見舞いは、必要ない」
彼の表情が変わった。言い返そうとしたその視線が、私の手の甲に残る針跡に落ち、一瞬だけ動きを止めた。「俺と一緒に来い」
私は落ち着いた目で彼を見返し、言った。「私たちはもう、何の関係もない」
彼は言いかけて口をつぐみ、少し迷った末、突然問いかけた。「君、何の病気なんだ?」