際どい写真を誤送信!?政略結婚の夫がすぐに帰国してきた

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際どい写真を誤送信!?政略結婚の夫がすぐに帰国してきた

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結婚して3年。私・柴田紬(しばた つむぎ)と夫の柴田響(しばた ひびき)は、いまだに手も繋いだことのない仮面夫婦だ。 ほんの出来心と密かな...

Chương (1)

第1章

結婚して3年。私・柴田紬(しばた つむぎ)と夫の柴田響(しばた ひびき)は、いまだに手も繋いだことのない仮面夫婦だ。 ほんの出来心と密かな復讐心から、私はセクシーなランジェリー姿の自分の背中を撮り、裏垢を使って響に送りつけた。 どうせ既読スルーされるだろうと思っていたのに。予想に反して2分後、ブブッとスマホが震え、画面にこんな通知が光った。 【ご家族様が本日付の帰国便の航空券を購入しました】 【紬はお前で暇つぶしをしてるだけだ。見つけたらただじゃおかないぞ、この下劣な野郎が……】 第1話 【柴田社長って本当にお忙しいんですね。今月だけでもう3回目の出張ですよね?】 撮りたての写真を選択し、私・柴田紬(しばた つむぎ)は息を殺して送信ボタンを押す。 盗撮風の絶妙なアングル。右下には、男物のパジャマの一部が写り込んでいる。 ピコン、と送信完了の音が鳴った瞬間、私は爆弾でも捨てるようにスマホを放り出した。 「まったく。そんな度胸しかないくせに、よく旦那さん相手にこんな真似をしようと思ったわね」藤田晴香(ふじた はるか)が呆れ顔で言った。 「自分で自分の浮気相手を演じてるのよ、緊張しないわけないじゃない?」私はクッションに顔を埋めて叫び、ビクビクしながら尋ねた。「ねえ、自作自演だってバレないかな?」 「そんなにビビらなくてもいいでしょ。バレたら悪ふざけでしたって言えば済む話でしょ」 「でも、私たちってまだ冗談を言い合えるような仲じゃないし……」自分の衝動的な行動に後悔し、泣きそうになった。 「結婚して3年、同じ屋根の下に住んでるのに、まだそんなに他人行儀なの?ある意味、二人ともよく理性が持ったわね」 「響さんと3年も一緒にいたら、ときめきなんてとっくに枯れたわ」そして、晴香は感心したように私の肩を叩いたが、私は呆れたように彼女の手を払いのけ、スマホへと手を伸ばした。 「響さん、見てくれるかな?」言い終わるか終わらないかのうちに、スマホがブブッと震えて画面が光った。響からのメッセージだ。 【紬はお前で暇つぶしをしてるだけだ。見つけたらただじゃおかないぞ、この下劣な野郎が……】 今度は私と晴香が、顔を見合わせた。 「どういう意味?私、怒られてる?」響がこんな言葉遣いをするのを見たのは初めてで、戸惑いつつも、なんだか新鮮だった。 柴田響(しばた ひびき)と結婚して3年。ずっと同じ家に住んでいるとはいえ、まともな会話をしたことは数えるほどしかない。 たまにどうしても話さなければならない用事があっても、響はいつも短い言葉で済ませていた。彼が感情を露わにするのを、私は初めて見た。 「正確には、その『浮気相手』を罵ってるのよ」晴香は生唾を飲み込み、ためらいがちに言った。 私がまだ事態を呑み込めていないうちに、再びスマホがブブッと震えた。 【ご家族様が本日付の帰国便の航空券を購入しました】 「えっ、これどういうこと?まさか、今すぐ帰ってきて私を殴る気?」私は顔面蒼白になった。 「あるいは、裁判沙汰にして離婚かもね。どっちにしろ、私は先に逃げるわ」晴香がきびすを返して逃げようとしたので、私は彼女の足にすがりついた。 「一人にして行かないでよ!薄情者!」 バタン、と玄関のドアが閉まる音を聞きながら、私はソファに沈み込み、懸命に頭を悩ませていた。 響と結婚して3年になるが、私たちの親密度は友人にも満たない。むしろ、上司と部下といった方がしっくりくる。 3年前、父は意気揚々と大規模なプロジェクトに投資した。ひと花咲かせるつもりが、見事に大失敗してしまったのだ。 抱えた借金は、家の財産をすべて売り払っても到底返せないほどの莫大な額だった。 借金返済のため、家族総出で金策に走った。しかし、かき集めたお金など、巨額の負債の前では焼け石に水だった。 借金を返せず、いよいよ逃げ場がなくなりかけたその時、響がまるで救世主のように天から舞い降りてきたのだ。 彼は、我が家の事業はまだ持ち直せると言い、手を差し伸べてくれると申し出た。ただし、条件が3つあった。 1つ目は、契約書を交わすこと。5年以内に元金と利息をきっちり返済する。 私と父は、これ以上ないほど激しく首を縦に振った。 2つ目は、本当に事業が起死回生した暁には、株式の25%を響に譲渡すること。 私たちはまたしても、必死に頷いた。 そして3つ目。私と結婚すること。期間は3年間。 私と父は固まった。 響は社長椅子で姿勢を正し、少し身を乗り出して言った。 「人の弱みにつけ込むつもりはない。3年間、ただの仮面夫婦として過ごす。それも契約書に盛り込む」 私は指をいじりながら、恐る恐る口を開いた。 「あの、柴田社長。私には、あなたのために何ができるんでしょうか?」 「妻として振る舞い、俺が父の遺産を少しでも多く受け取れるようにすること」響は再び社長椅子に背中を預けた。「他に何か質問は?」 「いえ!何も問題ありません」彼が心変わりするのを恐れた私は、愛想笑いを浮かべながら、慌てて契約書にサインした。 夫婦になるどころか、響から「下僕になれ」と言われても、私は喜んで受け入れただろう。 オフィスビルを出て、私と父は顔を見合わせた。 「柴田社長のお父さんって、誰なの?」と私は聞いた。 「契約書に書いてなかったか?」父は問い返した。 「読んでないわよ」私は両手を広げ、悪びれずに言った。 婚姻届を出した後、車の中で私はこっそりと響を盗み見ながら、恐る恐る尋ねた。 「柴田社長。まだお父様のお名前を伺っていなかったのですが……」 ハンドルを握る響の骨ばった手。端正な顔立ちに影が落ち、その瞳の色は読み取れなかった。 「知らなかったのか?君が小さい頃、抱っこしてもらったこともあるぞ。 柴田峰行(しばた みねゆき)。君の義父さんになる人の名前だ」 峰行。この街で一番の不動産デベロッパーだ。響があれほど羽振りがいいのも納得だ。 とんでもない後ろ盾を得たと内心小躍りしかけたその時、私はふと気がついた。峰行には、息子が一人しかいないはずでは? 「あの……あなたのお父さんには、柴田慎也(しばた しんや)っていう息子さんが一人だけじゃなかったかしら?」私はゴクリと唾を飲み込んだ。頭が追いつかない。 「言うのを忘れていたが、俺は隠し子なんだ。慎也は俺の腹違いの兄ということになる」衝撃で固まっている私を見て、響は慰めるように言葉を続けた。「心配いらない、誰にも文句は言わせないから」 私は完全に唖然としていた。まるでモブキャラが、ドロドロの愛憎渦巻く財閥ドラマに巻き込まれたような気分だった。 スマホがブブッと2回鳴り、私は現実に引き戻された。画面を見ると、響からメッセージが2件届いていた。 【家にいるか?今夜パーティーがあるんだが、一緒に来てくれないか?】 私は何事もなかったかのように装い、こう返信した。 【いるよ。さっき今日の航空券を買ってたみたいだけど、あなたが帰ってくるのを待って、一緒に行けばいい?】 【用事が早く済んだから、早めに帰ることにした。すぐ着くから、家で待っててくれ。一緒に向かおう】 なんだ、パーティーがあるから急いで帰ってきたのね。安堵すると同時に、私の胸の奥で、なぜか無性に寂しさが広がっていった。 第2話 先月、3年間の契約期限を迎えた。 本来なら響との関係は先月で終わっているはずだったが、1ヶ月が過ぎても彼は何も言ってこず、私も知らぬ存ぜぬを決め込んでいる。 響に出会うまで、一目惚れなんて嘘だと思っていた。 私たちはこのまま、本当の夫婦としてずっと一緒にいられるのではないかと、密かに期待していた。 欲というものは恐ろしい。それは時に、人に狂った決断をさせる。 悩み抜いた末、私は自分自身に「恩を仇で返す不倫妻」というシナリオを用意した。 毒を食らわば皿まで。愛よりも憎しみの方が長く記憶に残るものだ。 だが悲しいかな、私という名の手製の爆弾では、響の最新鋭戦艦を揺るがすことすらできなかった。 結局、私は白旗を上げて大人しく引き下がり、クローゼットでパーティー用のドレスを選び始めた。 響の出張先は近場だったらしく、時計の針が3時を回った頃に玄関の開く音が響いた。 強行軍の疲れは見えたものの、その黒い瞳だけは妙に冴えていた。 「お手伝いさんが衣装のアイロンがけを済ませてくれたわ。いつ出発するの?」 「急がなくていい。まだ時間はある」響は寝室へ戻らず、ネクタイを緩めながらジャケットを脱いで腕にかけた。浮き出た手首の骨と、額にかかった無造作な髪が妙に色っぽい。 「最近、会社の新規プロジェクトの進捗はどうだ?」 響は非の打ち所がないほど整った容姿をしている。長年、人の上に立つ立場にいるせいか、御曹司特有の奔放さの中にも強引な圧を感じさせた。 「予想以上に順調よ。来月には完了するし、収益も見込みより大きくなりそう」出資者からの突然の質問に、私は殊勝に答えるしかなかった。 「順調なら何よりだ」響は関心がなさそうに頷いたが、その視線はローテーブルに置かれた2つのコーヒーカップに留まった。 「今日は誰か来ていたのか?」 「ええ、晴香が遊びに来てくれたの」ソファに脱ぎ捨てていたパジャマを慌ててクッションの裏に隠しながら、私は引きつった顔で声を張り上げた。 「最近、家で一人で何をしているんだ?退屈してないか?」 私は響の顔を盗み見たが、彼の真意が読み取れなかった。 「会社の方も落ち着いているし、確かに家では手持ち無沙汰ね」響に暇を持て余していると思われたのかもしれないと思い、私はおずおずと切り出した。 「外で仕事でも探してみようかしら?」 「探す必要はない」私がホッとしたのも束の間、響が静かに告げた。「俺のところへ来い。ちょうど秘書を探していたんだ」 響が立ち上がると、そのすらりとした長身に、ほとんど覆いかぶさられるようだった。空のカップとスプーンが触れ合ってチリンと音を立て、私は彼の纏う微かなコロンの香りに包み込まれた。 響は眉を上げ、悪戯っぽく口角を歪めると、私の髪を耳にかけた。指先が肌をかすめ、微かな戦慄が走る。 「黙り込んでどうした?嫌なのか?」 響の魅力に抗えず、私はすっかりのぼせ上がってしまい、首を縦に振るしかなかった。 「決まりだ。明日の朝8時、一緒に会社へ行くぞ」 職権乱用万歳。脳内で繰り広げられる「独裁社長と秘書の禁断の恋」に、ニヤける口元を抑えることができなかった。 私の愛した人は、やっぱり狐の化身だったみたい。 …… 翌朝、下心を悟られないよう、私は気合を入れてビジネススーツに身を包んだ。 身支度を整えて1階へ降りると、響はすでに玄関で待っていた。 緊張と期待が入り混じり、車窓から見える景色すら輝いて見えた。 私の浮かれぶりに、響は苦笑した。「初出勤で緊張してるのか?」 「少しね。でも楽しみだわ」私は正直に答えた。「今までは家の手伝いみたいな感じだったから、外で働くのは新鮮なの」 第3話 「気負うな。これも家の仕事の一部だ。秘書課の人たちはみんな接しやすい」 「家の仕事」という言葉に舞い上がっていたのも束の間、メールボックスに届いた300ページを超える資料を見て、私は絶望した。 泣き言も言えないほど周囲のタイピング音は激しく、私のデスクと社長室の間には、5人もの壁が立ちはだかっていた。 恋の火花を散らすどころか、その種火すら用意させてもらえない環境だ。 私は覚悟を決めた。神様が私に試練を与えたのだと自分に言い聞かせ、社畜としての使命に身を投じることにした。 午前中だけで、私はすでに新しい同僚たちと仲良くなり、腕を組んで食堂へ向かっていた。左にゲイ友、右に知的な姉系。ここはまさに顔採用の聖地だった。 ブラインドの隙間からこちらを見つめる響の視線に気づき、私は「順調よ」と元気よくウィンクを飛ばした。 光の反射のせいか、響の顔がさらに険しくなったような気がしたが、エレベーターの扉は非情にも閉じていった。 昼時の食堂は混雑していた。私たちがようやく席を確保したその時、入り口の方からどよめきが近づいてきた。 「えっ、社長がどうしてこんなところに?」 私は森田健二(もりた けんじ)の言葉に釣られて振り返ると、響が社員たちに笑顔を振りまきながら歩いてくるのが見えた。腕まくりしたシャツから覗く前腕のラインが綺麗だった。 「今月は福利厚生強化月間だから、社長が視察に来るのもその一環でしょう」二宮杏(にのみや あん)が私のお皿にチキンを乗せてくれた。私は響と無関係を装い、黙々と食事に集中した。 ふと視線がぶつかったが、慌てて逸らす。 「社長って本当にイケメンですよね。あの強引な感じがたまらないでしょう?」 健二がニヤニヤしながら耳打ちしてくるので、私は仰天した。 「えっ、ああいうタイプが好きなんですか?意外です」 「社長は若くしてご結婚されてるんですよ。もう3年になるはずですね」杏は創業時からのベテランで、社内の事情には精通していた。 情報を聞き出そうとしたその時、響がトレーを持ってこちらへ近づいてきた。 「ここは空いているか?」テーブルの脇に立つ響の瞳は、陽光を浴びた泉のように澄んでいた。 私たちは慌てて席を空け、響は私の正面に座った。 沈黙が場を支配した。私があまりの気まずさに逃げ出したくなる寸前で、響は口を開いた。 「食堂のメニューには満足しているか?何か要望があれば聞こう」 「最高です!福利厚生も完璧で、毎日幸せです!」健二がこれ以上ないほどの媚びを売った笑顔を見せ、見ているこちらが寒気を覚えるほどだった。 「社長!入社初日ですが、会社の温かい配慮のおかげで、まるで実家にいるような安心感です!」 媚び売りコンビの誕生だ。 響の顔色がみるみる曇っていく。どうやら今の発言は逆効果だったらしい。 「そうか。精々仕事に励んでくれ」絞り出すようにそう言うと、彼は席を立った。残された私たちは呆然と顔を見合わせた。 「社長、もう行っちゃうのでしょうか?」 「お腹が空いてなかったのかもしれませんね」 「紬さん、社長とどこかでお会いしたことがあるんですか?」杏の不安げな視線に、私は引きつった笑いで誤魔化した。 「いいえ、初対面です。きっと機嫌が悪かっただけじゃないでしょうか」 杏は私を気遣って、デスクに着くまでずっと励まし続けてくれた。 同僚の優しさが胸に染みると同時に、響との関係を隠している罪悪感で心が痛んだ。 私はせめてもの罪滅ぼしに雑務を片っ端から引き受け、気づけば定時を過ぎていた。スマホが震える。 響からのメッセージだった。 【仕事が終わったら、一緒に帰るか?】 背伸びをし、山積みの資料を眺めてから、私は断りの返信をした。 【私は初日から社員をこき使うような鬼上司じゃないの】 【私たち社畜は、自分から進んで働きに行く生き物なのよ】 響からの返信はなく、私は再び仕事に没頭した。 最後の資料を整理し終え、疲れ切った体で地下鉄の駅へ向かおうとしたその時。 会社の門を出ると、少し離れた場所に停まっていた黒いマイバッハの窓が、ゆっくりと下がった。 響が車から降りてきて、私のバッグをごく自然に受け取ると、助手席のドアを開けた。 「お疲れ様」 「ずっと待っていてくれたの?」定時からすでに3時間は経っている。 「ああ。初日くらいは一緒に帰りたかったからな」車内は暖かく、街灯の淡い光が差し込んでいた。 途端に、車内の空気が甘く色づき始めた。 助手席で身を縮めている私の隣で、響の指先が、触れるか触れないかの距離でハンドルをかすめる。 コロンの香りとエアコンの温風が混ざり合い、耳まで熱くなる。 「他人のふりをしたのは、同僚にバレるのが怖かったからか?」響が不意に、淡々とした口調で尋ねてきた。 「当たり前じゃない?」私はシートベルトを握りしめ、開き直って答えた。 「コネ入社した人間が、初日から正体を明かすわけないでしょ?これは職場で生き残るための知恵よ」 響は鼻で笑った。「森田の前で俺のことを褒めていた時は、随分と堂々としていたじゃないか?」 私は硬直した。 食堂で言った「あの強引な感じ」という言葉、聞かれてたなんて…… 赤信号で車が止まると、響が突然こちらに身を乗り出してきた。 「それで、君は好きなのか?」 私は背中をシートに押し付けられ、喉が詰まる。「何が?」 「そういう強引な男は、好みか?」響のまつ毛が私の鼻先に触れそうになる。「あのランジェリー姿の写真……一緒に写っていた男物のパジャマ、先月俺がゲストルームに忘れたやつだろう?」