死に戻り。クズ夫を捨てポンコツ御曹司と成り上がる

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死に戻り。クズ夫を捨てポンコツ御曹司と成り上がる

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千葉明音(ちば あかね)と共に拉致されたあの日、宮本隼人(みやもと はやと)は迷うことなく私・陣内光希(じんない みつき)ではなく、彼女...

Chương (1)

第1章

千葉明音(ちば あかね)と共に拉致されたあの日、宮本隼人(みやもと はやと)は迷うことなく私・陣内光希(じんない みつき)ではなく、彼女を選んだ。 犯人ですら気まずそうに黙り込み、しばらくしてから上着を私の肩に掛けてくれた。 「俺より悲惨だな。旦那に見捨てられるなんて。ったく……なんでこの結び目、解けないんだ」 彼は最後には歯でロープを噛みちぎり、ぶっきらぼうに言った。 「まあいいか、お前まで巻き込む必要はないだろ。いいから逃げろ!」 そう言うと、彼は私を隼人の方へ突き飛ばし、自ら高層ビルから身を投げた。 助かったと思った矢先、視界の先で待っていたのは、隼人の冷えきった目だった。 「お前さえ死ねば、明音と堂々と一緒にいられる。 光希、お前はもう譲るべきなんだ!」 目が覚めると、私は隼人との婚約式の日へ戻っていた。 隼人の甘い視線には目もくれず、私はそのまま端っこでゲームに没頭している阿部正人(あべ まさと)に近づいた。 「阿部さん、私と手を組まない?」 かつて私は、隼人を業界のトップまで押し上げた。 今、正人をトップの座に就かせるなんて、朝飯前だ。 第1話 千葉明音(ちば あかね)と共に拉致されたあの日、宮本隼人(みやもと はやと)は迷うことなく私・陣内光希(じんない みつき)ではなく、彼女を選んだ。 犯人ですら気まずそうに黙り込み、しばらくしてから上着を私の肩に掛けてくれた。 「俺より悲惨だな。旦那に見捨てられるなんて。ったく……なんでこの結び目、解けないんだ」 彼は最後には歯でロープを噛みちぎり、ぶっきらぼうに言った。 「まあいいか、お前まで巻き込む必要はないだろ。いいから逃げろ!」 そう言うと、彼は私を隼人の方へ突き飛ばし、自ら高層ビルから身を投げた。 助かったと思った矢先、視界の先で待っていたのは、隼人の冷えきった目だった。 「お前さえ死ねば、明音と堂々と一緒にいられる。 光希、お前はもう譲るべきなんだ!」 目が覚めると、私は隼人との婚約式の日へ戻っていた。 隼人の甘い視線には目もくれず、私はそのまま端っこでゲームに没頭している阿部正人(あべ まさと)に近づいた。 「阿部さん、私と手を組まない?」 かつて私は、隼人を業界のトップまで押し上げた。 今、正人をトップの座に就かせるなんて、朝飯前だ。 体に合っていないスーツ姿の正人は、目を丸くして固まっていた。 呆然と私を見つめ、自分を指差す。 「え?俺?」 私は彼の向かいのソファへ静かに腰を下ろした。 「阿部さん、海市の燃料取引、実際に回しているのはあなたよね? もっと上を目指す気はない?」 正人は唖然としていて、スマホを持った手は固まったままだった。 「え……人違いじゃ?」 ようやく我に返ったように、彼は背筋を伸ばし、慌ててネクタイを直そうとするが、逆にどんどん歪んでいく。 ちらちらと私を見ながら、額にはうっすら汗が滲んでいた。 「光希」 隼人の声が、せわしなく響く。 彼は険しい表情をしながら、足早に私の所へ歩み寄った。 「阿部グループには興味なかったはずだろ。急にどうした?」 少しの間を置いて、彼は少し声を落とした。 「詳しい話は後でしよう。こんな場所で悪ふざけはやめてくれ」 私の視線はずっと、向かいにいる正人に向けられたまま、隼人を見ようとはしなかった。 「今まで気に留めていなかったけれど、阿部さんの腕はなかなか素晴らしいわ」 私は淡々と話を続け、それと同時に、掴もうとしてきた隼人の手をさりげなく避けた。 隼人の手は宙で固まり、一瞬で表情が変わったが、すぐくすりと笑った。 「光希、冗談だろ?海市の正人といえば……」 隼人は最後まで言わなかったが、周囲からはひそひそと嘲る声が広がっていった。 「宮本社長も言葉を選んでるんでしょう。あいつ、ただの出来損ないですよ!」 「そうそう、阿部家のお荷物です!」 正人の動きが止まった。 俯いたまま表情は見えない。 握りしめたネクタイの下、彼の拳には青筋が浮かんでいた。 昔から、言い返すのが苦手な人だった。 前世の結婚式の日、私のウェディングドレスを明音がわざと破った。 周囲が冷ややかに笑う中、ただ正人だけが静かに自分のジャケットを脱ぎ、私の肩にかけてくれた。 心配しているのが痛いほど伝わってきたのに、顔を真っ赤にするだけで言葉一つ紡げなかった。 「彼はただ、子供の頃に高熱を出したから、ちょっと鈍いだけよ」 私の声は大きくなかったが、周囲のざわめきを一瞬にして黙らせた。 「なんで出来損ないって決めつけるの?」 正人が勢いよく顔を上げ、信じられないものを見るように、瞳が揺れていた。 隼人の顔色は見る見るうちに沈んでいった。 「光希、今自分が何を言っているのか分かっているのか?」 私はグラスに口をつけて、答えを避けた。 正人はきょとんとしたまま私を見つめ、何か言いたそうだった。 あまりに焦ったせいか、立ち上がった時にテーブルの脚に躓き、そのまま前へ倒れた。 鈍い音が響き、周囲からは心無い笑い声が聞こえた。 「ははっ、盛大に転んだな?」 「やっぱり鈍臭いな……」 立ち上がろうと手をつく正人の耳が、赤く染まっていた。 何も言い返さず、ただ必死に歯を食いしばっている。 私は立ち上がり、彼の元へ歩み寄って手を差し出した。 彼は呆然と顔を上げた。 「立って」私は言った。 彼の唇が少し震えたが、結局何も言わず私の方へ手を差し出した。 触れた掌は熱く、少し汗ばんでいる。 彼は遠慮深く、指先で私の手のひらにそっと触れることしかできなかった。 我慢の限界だった隼人が歩み寄り、私の手首を乱暴に掴んだ。 「光希、もういい加減にしろ!今日は婚約式だぞ、自分が何をしているか分かっているのか?」 第2話 私を掴む手には力がこもっていて、その瞳には隠しきれない焦りが浮かんでいた。 彼がなぜ焦っているのかなんて、痛いほど分かっている。 陣内グループの資金は、海市の財界にとって喉から手が出るほど欲しいものだった。 私がどちらにつくかで、商工会の会長の座が決まる。 その時、宴会場の扉が開かれ、隼人の表情がぴたりと固まった。 現れた人物を見た瞬間、前世の怒りが胸の奥から一気に込み上げてくる。 私は隼人を見つめ、冷たく笑った。 「隼人、冗談なんて言ってないわ。 あともう一つ、伝えておくことがあるわ。 本日をもって、私は隼人との婚約を解消する」 隼人は意外そうに目を見開き、眉をひそめた。 だが、すぐにその視線は会場に入ってきた明音の方へと移った。 「光希、そんなわがままはもうよせ」 彼は私には見向きもせず、ずっと明音のことばかり見ていた。 「明音はただの後輩で、今回の婚約式も、気晴らしに来ただけだ」 あまりにも当然のように言うものだから、逆に笑えてしまった。 10年ものの付き合いで、自分の婚約式に呼ぶほどの仲だ。 前世で、まさにこの日、明音が弱々しく「気分が優れない」と言い出し、隼人は一晩中彼女のそばにいた。 そして、婚約者である私は会場中の笑い者になった。 「光希?」 隼人が探るように声をかけたが、私が黙り込んだままなのを見て、入り口の方へと歩いていった。 彼は足取りも軽く、自分でも気づいていない笑みを浮かべ、自然な仕草で明音の肩を抱き寄せた。 明音は彼の隣に寄り添い、微笑んでいた。 「光希さん」彼女が遠くから私に向けて、穏やかな声で挨拶する。 隼人は彼女を連れて近づいてくると、何か思い出したように言った。 「そうそう光希、明音は優秀だし、今後俺の秘書になってもらう予定なんだ。 会社の事は心配するな。彼女がいれば、お前も楽になる」 つまりは、私に口を出されたくないのだ。 彼の緊張した瞳を見るに、拒絶されて、彼らの関係を壊されるのが怖いのだろう。 私はグラスを手に取り、淡々とした笑みを浮かべた。 「ええ、勝手にどうぞ」 隼人は、これほどあっさり納得するとは思わなかったのか、呆然とした。 「なら……」と、彼は様子を伺いながら続ける。 「明音と先に一曲踊ってもいいか?」 彼は私を挑発しているのだ。 前世だったら、そんな態度に泣き出し、お願いだから行かないでと縋っていた。 でも今は、滑稽でしかない。 「好きにすれば?」 隼人の表情が硬くなる。 それでも最後に不機嫌そうに鼻を鳴らし、明音を連れて去っていった。 私は相手にしなかった。 その時、気弱そうな声が、すぐ耳元で弾けた。 「うわ、言い返し方がうまいな。ちょっとコツを教えてくれないか?」 温かな吐息と一緒に、爽やかなミントの香りがふわりと漂う。 顔を向けると、輝く瞳と目が合った。 正人がいつの間にか近づいて、尊敬の眼差しを向けている。 「……人と話す時は、もう少し距離を取った方がいいって教わらなかった?」 私はすっかり呆れてしまった。 彼はキョトンとすると、自分の立ち位置を確認した。 それから慌てて半歩下がる。「あ……ごめん。君みたいに話せたらいいなと思って」 そう言いながら、また少しだけ身を乗り出してくる。 「そうじゃないと兄さんがうるさいんだ。お前はまともに話すこともできないのか、って」 そう話す彼の目には恨みはなく、ほんの少しの寂しさが宿っていた。 まるで、理由も分からないまま叱られている子犬のようだ。 胸がキュッと締め付けられた。 兄に押さえつけられていなければ、正人だってもっと自由に生きられたはずなのに。 前世では、最後には兄に利用される形で、あの事件に巻き込まれてしまった。 もちろん、今の彼はそんな未来を知らない。 「大丈夫。コツなら教えてあげられるわ」 彼の目が急に輝き、何かを言いかけたときだ。 「光希さん」 どこからか柔らかな声が割り込んできた。 第3話 明音はグラスを片手に私の前に現れ、うっすらと微笑んだ。 「乾杯しましょう!隼人さんと、末永くお幸せに」 優雅な振る舞いだったが、その瞳の奥には一瞬、挑発めいた色がよぎった。 私はグラスを受け取らなかった。 「千葉さん」私は彼女を見つめ、一語ずつはっきりと言い放つ。 「望み通りになったなら、もうそんな白々しい芝居はやめたら?」 明音の笑みがぴたりと固まった。 「光希!」 いつの間にか駆け寄ってきた隼人が、明音の肩を抱き寄せる。 「なんて心の狭い女だ!せっかく挨拶に来てくれたのに、その態度はなんだ!」 言葉と同時に、私を突き飛ばそうと腕を伸ばした。まるで私が明音に危害を加えるのを防ぐかのように。 周囲は皆、面白半分に見ているだけで、私に手を差し伸べる者は誰もいない。 私は思わず身を強張らせた。 その時、すらりとした影が、私の前へ飛び出した。 正人が両腕を広げ、私を庇うように立つ。 「か……彼女をいじめるな!」 隼人は呆れたように正人を見下ろし、鼻で笑った。 「どこの馬の骨かと思えば……お前みたいなのがヒーロー気取りか?」 周囲からくすくすと笑い声が漏れる。 正人は耳を真っ赤にしたが、道を開こうとはしなかった。 「腰抜けが、無理してヒーローごっこか?」 隼人の声はさらに冷たさを増す。 「兄にすら相手にされていない分際で、偉そうな口を叩くな。 女を庇えば、自分がまともに見えるとでも思ったのか?」 傍らで明音が口元を押さえ、くすりと笑った。 正人は肩を激しく上下させ、何か言い返そうと口を開くが、言葉は喉に引っかかったまま出てこない。 やがて彼は拳を強く握り締め、勢いよく腕を振り上げた。 「ふざけるな!」 その瞬間、明音が悲鳴を上げ、隼人の背後へ隠れる。 会場は一気に大混乱に陥った。 私はその隙に正人の袖を掴み、彼を会場から引きずり出した。 彼は文句をぶつぶつ言いながらも、おとなしく私の後ろをついてきた。 背後で隼人の怒り狂う声が聞こえた。 「光希!今ここから出れば、グループ間の提携は即刻打ち切るぞ!」 私は振り返らなかった。 宮本グループのエネルギー事業は、ここ数年ずっと陣内グループの資金に支えられている。 契約解除?好都合だ。そのまま阿部グループへ切り替えればいいだけだ。 オフィスへ戻る道中、正人はずっとうつむいたままだった。 髪は乱れ、シャツの袖が破れ、擦り傷から少し血が滲んでいる。 オフィスに入るなり、彼は低い声で言った。 「ごめん……」 「君の大事な式を、めちゃくちゃにしてしまった」そこで言葉を切り、喉仏が小さく上下する。 「知ってるよ……彼が好きなんだろ」 最後の言葉はひどく小さく、隠しきれない寂しさが滲んでいた。 救急箱を取ろうとした私の手が止まる。 隼人が好き? 私は淡々と笑い、消毒液と綿棒を取り出した。 「謝らないで。むしろ感謝しているのよ」 あの時、彼がいなければ今日の騒動をどう収めていいのかわからなかった。 正人が顔を上げ、不思議そうな目をした。 何か言おうとした矢先、スマホが鳴った。 チラリと画面を見ると、明音がSNSを更新していた。 写真の中の彼女の手首には、キラリと光る真珠のブレスレットがつけてあり、『先輩からのプレゼント。すごくお気に入り』と書いてあった。 そのブレスレットには見覚えがあった。宮本家に代々伝わる家宝だ。 前世では、結婚式当日にこっそり彼女へ渡していたものだ。 どうやら今回は、私が自分から頭を下げて戻ってくるのを、焦りながら待ってるらしい。 私は無表情で彼らのアカウントをブロックした。 ふと顔を上げると、正人はまだそこに立っていた。 うつむいたまま、ソファの房飾りを指先でいじっている。 そんな彼を見て、心の中にふと良案が浮かんだ。 「だけど」私はゆっくりと言った。 「今日、恥をかかされたのは事実よ」 正人がビクッと顔を上げ、不安そうな眼差しを向けた。 「償ってもらいたいんだけど、いいわよね?」 第4話 彼は即座に背筋を伸ばし、目を輝かせた。 「言ってくれ!俺にできることなら何でもする!」 迷いのない返事に、私は一瞬言葉を失った。 「……阿部グループの燃料取引、あなたに決定権はある?」 オフィスに、数秒の沈黙が落ちる。 正人は理解が追いついていないのか、意味を察して戸惑っているのか、ぱちぱちと瞬きをした。 彼は勢いよく頷いた。 「ある、あるよ! 兄さんが色々口を出してくるけど、担当自体は俺なんだ!」 どこか自信なさげなのに、それでも誇らしさを隠しきれない声だった。 私は彼を椅子に座らせ、手当てをしながら、阿部グループの事業について話を聞いた。 言葉に詰まる場面は多いけど、自分の仕事の話になると驚くほど筋道立てて説明する。 私はしばらく考え込み、それから綿棒を置いた。 「兄に電話して。私が話したいって伝えてちょうだい」 正人は昔から阿部グループの監視下に置かれているが、彼自身はまだそれに気づいていないようだった。 なら、こそこそ動くより、正面から引きずり出した方が早い。 先ほどまで輝いていた正人の瞳が、ふっと曇った。 「あぁ……うん、分かった」 俯いたままスマホを取り出し、小さく呟く。 「そっか……結局、兄さんが必要なんだよね」 目尻が赤く染まり、拗ねた子どものような声だった。 どう声をかけるべきか迷っていると、スマホが震えた。 明音からの着信だった。 通話ボタンを押すと、あの甘ったるい声が聞こえてくる。 「ねえ光希さん、隼人さんが酔っ払っちゃって。迎えに来てくれない?いつまでもウチにいられても困るし……」 受話器の向こうからは、酔いつぶれた隼人の声がかすかに響いていた。 「光希は……絶対に俺のところに戻ってくる……陣内グループのプロジェクトだって、結局は俺がいなきゃ回らないんだから……」 私は無言で通話を切って、秘書の方を向き、淡々と言い放つ。 「宮本グループとの取引をすべて解消して。引き揚げた資金は、そのまま阿部グループへ回してちょうだい」 オフィスに再び静寂が戻った。 振り向くと、正人はソファに座ったまま、貼ったばかりの絆創膏を何度もいじっていた。 私は大きく息を吐いた。 「ねえ、ゲームでもしてみない?」 正人が顔を上げ、潤んだ瞳でこちらを呆然と見つめた。 私は少し眉をひそめ、身を乗り出した。 「あなたとゲームがしたいの。 うまくいったら、阿部グループをあなたのものにしてあげる」 …… その頃、隼人は苛立った様子でグラスを揺らし、三杯目の酒を一気に呷っていた。 さっき酔ったふりをしたのは、光希が自分を迎えに来る口実を与えるためだった。 なのに、彼女はどうしてここまで意地を張れるんだ。 明音が傍らで、わざとらしく口を挟む。 「ねえ隼人さん、光希さんは今夜、あの正人とずっと一緒だったわ。二人で出ていくのを見た……今頃二人で何してるんだろう」 彼女の唇が、愉快そうに吊り上がる。 本来なら隼人は鼻で笑い、光希に呆れ果てるはずだった。 いくらなんでも、婚約者が阿部グループの出来損ないとつるんでいるのに耐えられる男はいない。 だが、隼人の動きがふと止まった。 彼の瞳に、かつてない表情が浮かび上がった。 執着、焦燥、そして……嫉妬だった。 明音が息をのむ。 隼人はグラスをテーブルに叩きつけ、冷ややかに言った。 「所詮はおもちゃ。彼女は俺を怒らせるために正人を連れ回しているだけだ」 彼は立ち上がって窓辺へと歩き、努めて冷静に続けた。 「それに、正式契約は二日後だ。宮本グループなしで、陣内グループの提携が成立するわけない。光希は、そんなリスクを取る女じゃない」 言葉が終わらぬうちに、オフィスのドアが激しく押し開かれた。 秘書が真っ青な顔をして転がり込んでくる。 「社、社長!た……たった今、光希様から全提携解除の通知が届きました!」