愛されぬ妻が去った日

Đang tải thông tin quảng bá...

愛されぬ妻が去った日

GoodNovel Hoàn thành

「膣を広げる手術は、受けられますか。 夫のものが、その……大きくて。少し、つらいんです」 目の前にいる患者は、愛らしい顔立ちをしていた...

Chương (1)

第1章

「膣を広げる手術は、受けられますか。 夫のものが、その……大きくて。少し、つらいんです」 目の前にいる患者は、愛らしい顔立ちをしていた。 私、香取星乃(かとり ほしの)は少し面食らった。 手術を希望して診察に来る患者は少なくない。けれど、その多くは膣縮小術か、処女膜再生手術を望んでいる。 自分から膣拡張術を受けたいと言い出す患者は、めったにいない。 問診を終え、私は彼女を診察した。 狭窄気味ではある。けれど、手術を勧めるほどではなかった。 一度考え直してみてはどうかと伝えると、彼女は首を横に振った。 「夫のものが……本当に大きいんです。それに、私を傷つけるのが怖いみたいで、いつもすごく我慢してくれていて。 そんなふうに苦しんでいるところを、見ていたくないんです。先生、できるだけ早く手術をお願いできませんか」 その言葉を聞いた瞬間、私は反射的に御堂蓮司(みどう れんじ)のことを思い出した。 彼も、その点では驚くほどで、何度か私を傷つけたことがある。 頬が熱くなる。 私は慌てて余計な考えを振り払い、彼女の手術日を調整することにした。 そのとき、不意に診察室のドアが開いた。 ひとりの男が、大股で入ってくる。 声をかけようとした瞬間、彼女がその胸に飛び込んだ。 「あなた!」 抱き合う二人を目の前にして、私の身体から少しずつ血の気が引いていく。 彼女が口にしていた「あなた」は、私と結婚して二年になる夫でもあった。 第1話 「膣を広げる手術は、受けられますか。 夫のものが、その……大きくて。少し、つらいんです」 目の前にいる患者は、愛らしい顔立ちをしていた。 私、香取星乃(かとり ほしの)は少し面食らった。 手術を希望して診察に来る患者は少なくない。けれど、その多くは膣縮小術か、処女膜再生手術を望んでいる。 自分から膣拡張術を受けたいと言い出す患者は、めったにいない。 問診を終え、私は彼女を診察した。 狭窄気味ではある。けれど、手術を勧めるほどではなかった。 一度考え直してみてはどうかと伝えると、彼女は首を横に振った。 「夫のものが……本当に大きいんです。それに、私を傷つけるのが怖いみたいで、いつもすごく我慢してくれていて。 そんなふうに苦しんでいるところを、見ていたくないんです。先生、できるだけ早く手術をお願いできませんか」 その言葉を聞いた瞬間、私は反射的に御堂蓮司(みどう れんじ)のことを思い出した。 彼も、その点では驚くほどで、何度か私を傷つけたことがある。 頬が熱くなる。 私は慌てて余計な考えを振り払い、彼女の手術日を調整することにした。 そのとき、不意に診察室のドアが開いた。 ひとりの男が、大股で入ってくる。 声をかけようとした瞬間、彼女がその胸に飛び込んだ。 「あなた!」 抱き合う二人を目の前にして、私の身体から少しずつ血の気が引いていく。 彼女が口にしていた「あなた」は、私と結婚して二年になる夫でもあった。 蓮司は夏目萌々(なつめ もも)を見つめ、きつく眉を寄せた。 「秘書が偶然、病院で君を見かけなかったら、俺に黙って手術を受けるつもりだったのか? 言っただろう。俺のことなんかどうでもいい。俺のために、自分の体を傷つけるな」 萌々は拗ねたような声を出した。 「でも、あなたが毎回あんなにつらそうに我慢しているのを見ると、胸が痛いの」 蓮司はそっと萌々の頬に触れた。その声は、信じられないほど優しかった。 「ばかだな。萌々がそばにいてくれるだけで、俺はもう十分だ。 そんな欲なんて、君に比べれば何の意味もない。一生我慢したっていい」 萌々は感極まって涙をこぼした。 二人は、周囲など目に入っていない様子で愛を確かめ合っていた。 蓮司の目には萌々しか映っていない。私がそこにいることにさえ、気づいていなかった。 私はその場に立ち尽くしていた。まるで、場違いな第三者みたいに。 つい昨夜まで、彼は私に身を寄せ、耳元で甘く囁いていた。 体を重ね、何度も激しく私を求めた。 それなのに今、彼は別の女のためなら、一生我慢したっていいと言っている。 「行こう。家に帰るぞ」 蓮司は萌々の手を引いて出ていこうとした。 けれど、萌々はその場に立ち止まった。 「あなた。私、やっぱり手術を受けたいの」 彼女は少し恥ずかしそうに口を開いた。 「あなたに気持ちよくなってほしいし……それに、私、あなたとの赤ちゃんも欲しい」 蓮司はきっぱりと拒んだ。 「それでも、君の体を傷つけるわけにはいかない」 二人が押し問答をしているうちに、机の上のペンが何かの拍子に床へ落ちた。 蓮司がこちらを振り返る。 青ざめた私と目が合った瞬間、彼の瞳が大きく揺れた。 けれど数秒後には、もういつもの表情に戻っていた。 「いい子だから、もう帰ろう」 蓮司は萌々を連れて出ていった。 私は椅子に崩れ落ち、全身がこわばったまま動けなかった。 胸の奥に綿を詰め込まれたみたいに、息苦しくて痛い。 蓮司が浮気をするなんて、考えたこともなかった。 けれど現実は、何の前触れもなく、こうして目の前に突きつけられた。 私は顔を覆った。涙が勝手にあふれ出して、止まらない。 そのとき、不意にドアがノックされた。 外の看護師が、診察の再開を促している。 私は慌てて涙を拭い、すべての感情を押し殺して診察を続けた。 ようやく交代の時間まで耐え抜き、感覚のない体を引きずるようにして家へ帰った。 部屋の中は真っ暗だった。 明かりをつけようとした瞬間、背後から温かな体が密着してきた。 鼻先をかすめたのは、よく知った匂いだった。 蓮司だった。 彼は私に反応する隙も与えず、私をソファに押し倒した。 自分の浮気を私に見られたあとだというのに、彼は一言の説明もしない。 ただ、欲をぶつけようとしている。 私は必死にもがいた。 「触らないで!」 蓮司は簡単に私の両手を押さえ込んだ。 「嫌なのか?」 私は信じられない思いで彼を見た。 声まで震えていた。 「蓮司、私に説明することがあるんじゃないの?」 どうしてこんなに冷静でいられるのだろう。まるで、何も起きていないみたいに。 蓮司は眉をひそめて私を見た。声はやけに落ち着いていた。 「萌々のことなら、お前には関係ない。今までどおりでいい」 自分の耳を疑った。 「な、何を言ってるの?」 「萌々の体じゃ、俺は満たされない。それに、妊娠にも向かない体質だ。お前は何も知らなかった。そういうことにしておけ。俺たちは今までどおりでいい」 そう言って、彼はスマホを取り出した。 次の瞬間、私のスマホに一億円の送金通知が届いた。 「仕事を辞めろ」 私は口を開いたまま、声を出すことさえできなかった。 そのとき、彼のスマホが突然鳴った。 蓮司は私の上から身を起こし、声色を一瞬で柔らかくした。 「ああ、すぐ行く」 電話を切るなり、彼は大股で出ていった。 私はその場に呆然と座り込んだまま、胸の奥がじわじわと冷えていくのを感じていた。 電話の向こうにいたのが萌々だということは、わかっていた。 涙は尽きることなく流れ続けた。 私はスマホを手に取り、ある番号へ電話をかけた。 「離婚協議書の作成をお願いしたいんです」 第2話 ここを去る日は、一週間後と決まった。 翌日、私はいつもどおり病院へ出勤した。ただ、退職することだけは院長に伝えておいた。 院長はひどく惜しんで、何度も引き止めてくれた。 「仕事に何か不満があったのか。それとも、何かあったのか? 君ほどの医師を失うのは、うちの病院にとって大きな損失だ」 目の奥が熱くなった。それでも、私は断った。 私はこの仕事を愛している。これからも、この道で働き続けるつもりだ。 ただ、場所を変えるだけ。 院長には目をかけてもらった恩がある。これ以上ここにいたら、本当に気持ちが揺らぎそうだった。 私は慌てて用事を口実に、その場を離れた。 診察室へ戻ったばかりのところで、見覚えのある人物が目に入った。 萌々が入ってきて、マスクを外す。 「香取先生、手術をしてください」 私は必死に表情を取り繕い、どうにか取り乱さずに済んだ。 「ご主人は……手術を許していないのでしょう。夏目さん、やめておいたほうがいいと思います」 事情を知らない彼女を、責める気にはなれなかった。 どうせ、私はもうすぐここを去る。 けれど萌々は私の手をつかみ、すがるような顔をした。 「香取先生、お願いします。助けてください。 先生も見ましたよね?うちの人、あんなに素敵な人なんです。今は私をすごく愛してくれているし、そういう気分になっても、私を傷つけたくないって、ずっと我慢してくれています。 でも、このまま時間が経てば、ほかの女に誘惑されるんじゃないかって怖いんです。 私たち、もうすぐ結婚して一年になるのに、あの人はまだ一度もちゃんと満たされていないんです。 先月、私も全部受け入れようとしたんですけど、少し裂けてしまって……そのあと半月ものあいだ、あの人は薬まで飲んで我慢してくれて……」 萌々はとめどなく話し続けていた。 けれど、私の耳にはもう何も入ってこなかった。 蓮司は欲が強い。 ベランダ、ソファ、キッチン……家のいたるところに、彼と体を重ねた記憶がある。 けれど一年前から、彼は急に残業や出張が増えた。 一か月のうち半分は外にいて、帰ってくるたびに、彼は私を激しく求めた。 先月も、二週間家を空けてから戻ってきた。 私は丸三日、ベッドから起き上がれなかった。 それなのに今日、別の女の口から、彼がどれほど抑えて耐えていたかを聞かされている。 「あっ……香取先生、先生……どうして泣いているんですか?」 萌々が慌てた顔で私を見る。 私は急いで涙を拭い、無理に口元を上げた。 「何でもありません。少し、胸を打たれてしまっただけです」 「同じ女性ですから、香取先生ならきっとわかってくれますよね。だから、お願いします。手術をしてください」 私は手を強く握りしめた。そして結局、引き受けた。 患者本人の希望を、医師である私がむげに退けることはできない。それに、昨日の時点ですでに手術の予約は入っていた。 私は深く息を吸い、すべての感情を脇へ追いやって、手術に集中した。 術中の経過は順調で、手術も無事に終わった。 「しばらく安静にして、激しい運動は避けてください。特に、性交渉は絶対に控えてください」 私はマスクを外し、萌々に術後の注意を伝えた。 彼女を見送ったあと、私はまた仕事に戻った。 深夜。 熟睡していた私は、突然、床へ引きずり落とされた。 肘を床にぶつけ、痛みに思わず息をのむ。 目を開けると、そこには険しい顔をした蓮司がいた。 「萌々に何をした!」 第3話 私は、皮膚が破れて血のにじむ腕を押さえながら、萌々の手術をしたことが蓮司に知られたのだと思った。 「彼女が望んで……」 言い終える前に、蓮司は乱暴に私を引きずり起こした。 車は猛スピードで走り、私は病院へ連れていかれた。 萌々は病室のベッドに座っていた。 私を見るなり、涙で顔をぐしゃぐしゃにして責め立ててきた。 「どうしてこんなことをしたんですか?私、あんなに先生を信じていたのに。わざと私を傷つけたんですね。 私から夫を奪って、私たちを離婚させて、もう二度と私に触れられないようにするつもりだったんでしょう?」 何が起きているのか、わからなかった。 喉はからからに乾いていた。 「手術は順調でした。私はあなたを傷つけようなんて……」 「嘘をつかないで!下からひどく血が出たんです。さっき診てもらったら、あなたの手術ミスで中が傷ついているって言われました!」 萌々の涙はいっそう激しくなった。 「わざとだったんでしょう。私に仕返しして、夫を奪うつもりだったんでしょう!」 私ははっと顔を上げ、萌々を見た。 それから、蓮司に目を向ける。 「違います。手術に問題はありませんでした。あなたに仕返ししようなんて、考えたこともありません。 私は医師です。そんなことをするはずがありません」 けれど、二人は信じなかった。 萌々は泣きながら蓮司にすがり、自分のために仕返ししてほしいと訴えた。 「蓮司、こんなことをされてまで彼女をかばうつもりなら、私、もう二度とあなたの前には現れない。 ねえ、答えて。彼女を選ぶの?それとも私?」 萌々は蓮司をじっと見つめ、答えを待っていた。 私も蓮司を見た。胸の奥に、ほんのわずかな期待が芽生える。 彼だけは、私を信じてほしい。少なくとも、私は彼の妻なのだから。 けれど次の瞬間、蓮司は萌々を腕の中に抱き寄せ、暗い目で私を見た。 「俺は確かに警告したはずだ。どうして言うことを聞かなかった。 お前が過ちを犯した以上、罰を受けて当然だ」 背後にいたボディーガードたちが素早く近づき、私を押さえつけた。 私は必死にもがいた。声がひどく震える。 「御堂蓮司、何をするつもりなの? 私じゃない。本当に彼女を傷つけてなんかいない。お願い、信じて……」 返ってきたのは、彼の冷たい視線だけだった。 「やれ」 心臓が口から飛び出しそうだった。 私は、自分の手首と指が一本ずつ折られていくのを、ただ見ているしかなかった。 「ああっ!」 喉が裂けるほどの悲鳴を上げた。 痛みで全身が痙攣する。 けれど、体よりも痛かったのは心だった。 「私の手……私の手が……」 私の手は、折られた。 同時に、医師としての未来も折られた。 もう二度と手術はできないかもしれない。 医師として働くことすら、できなくなるかもしれない。 御堂蓮司。 あなたはなんて残酷なの。本当に、なんて残酷な人なの…… 涙が狂ったようにあふれ出した。 痛みは限界を超え、視界が何度も暗くなる。 そのとき、蓮司がどこかへ電話をかける声が聞こえた。 「香取星乃に医療事故の疑いがある。数日、留置場に入れておけ」 信じられない思いで目を見開いた。彼はそこまでして、私を留置場に送るつもりなのだ。 「蓮司、こんなことしないで!いや、行きたくない!」 どれだけ抵抗しても、私はすぐに連れていかれた。 そして、そこからの数日間は悪夢そのものだった。 中の人間には、すでに話が通っていた。 私は毎日、人間扱いとは思えない責め苦を受けた。 折れた指は何度も踏みつぶされ、折れた手首も悪意を込めて無理やりひねられた。 たった三日で、私の体は傷だらけになった。無傷のところなど、ほとんど残っていなかった。 外に出された日、私はもう見る影もない姿になっていた。 歩き出す暇もなく、萌々の前へ連れていかれる。 彼女は私の惨めな姿を眺め、口元に笑みを浮かべた。 「その姿を見ればわかるわ。やっぱり蓮司が一番愛しているのは、私なのね」 私の心は、鋭い針で一突きにされたようだった。 第4話 蓮司が萌々を愛しているのは、確かだった。だからこそ、あそこまでして私を苦しめたのだ。 もう嫌というほど思い知らされていたはずなのに、それでも胸はひどく痛んだ。 「星乃、これが不倫女の末路よ」 萌々は私を見下ろし、その目に軽蔑を滲ませていた。 私は顔を上げ、かすれた声で言った。 「私は御堂蓮司と正式に結婚した妻よ。不倫女はあなたのほうでしょう」 萌々の顔に、一瞬怒りが走った。けれどすぐに、彼女は笑った。 「まさか、知らなかったの? 蓮司はとっくにあなたと離婚しているの。戸籍上の妻は、今は私。 それに蓮司が言っていたわ。あなたは、欲を処理するためだけの相手にすぎないって」 信じられない思いで、萌々を見つめた。 頭の中が真っ白になる。 離婚している。 欲を処理するためだけの相手。 「蓮司が本当にあなたを愛しているとでも思っていたの?私を傷つけたくないから、そういう欲を片づけるために、あなたをそばに置いていただけよ。 星乃、あなたって本当にみじめね」 私は不意に笑い出した。けれど、熱い涙が頬を伝って落ちていく。 真実は、想像していたよりずっと惨めだった。 彼が毎日のように私を求めてきたことを、私は愛だと思っていた。 けれど実際は、別の女への愛だった。 笑い声はどんどん大きくなり、胸の奥が震えて痛んだ。 萌々は眉をひそめ、二歩ほど後ずさった。 「気でも狂ったの?」 私は赤く充血した目で彼女を見つめ、不意に口を開いた。 「私がただの遊び相手だっていうなら、あなたは何を怖がっているの?」 萌々の目が大きく揺れた。次の瞬間、図星を突かれた怒りが顔に浮かぶ。 彼女は尖った爪で、私の傷口を容赦なく突いた。 「私があなたを怖がっていると思う?教えてあげる。蓮司があなたなんかに心を奪われることは、絶対にない。 それに、あなたにほんの少しの隙だって与えるつもりはないわ!」 そう言い終えると、萌々は人に命じて私を引きずらせた。 「離して!どこへ連れていくの……」 私は必死にもがいたが、傷だらけの体に残った力ではどうにもならない。 どれくらい時間が経ったのか、わからない。 気づいたとき、私は口に布を詰められ、手術台に縛りつけられていた。 一枚のカーテンを隔てた向こう側に、萌々と蓮司がいる。 萌々は涙を流し、声を詰まらせていた。 「蓮司、まだ下が痛いの。ううっ……私のこと、嫌いにならない? あんなに大事なところをほかの人に見られたのよ。もう生きていたくない」 蓮司は萌々の頬を撫でた。その声は、私が聞いたこともないほど優しかった。 「嫌いになるわけないだろ。愛しても愛し足りないくらいだ。 目にするのは医者だけ、医者は患者を、男か女かで見たりしない」 萌々は彼の胸に飛び込んだ。 「嫌。医師でも嫌なの!」 「じゃあ、どうしたい?星乃は留置場に入れて、君の気を晴らしてやった。それでも足りないのか?」 「足りない」 萌々は涙を浮かべた目で、蓮司を見上げた。 蓮司は彼女に口づけながら、何でもないことのように言った。 「それなら、星乃を人体モデルにして、人体実験に使わせればいい」 萌々はもう何も言わなかった。 けれど私は、はっと目を見開いた。 必死に声を出そうとしても、口を塞がれていて何も言えない。 ほどなくして、十数人の研修医が連れてこられた。 私の服も、一枚残らず剥ぎ取られる。 そして、尊厳などかけらもない姿勢で固定された。 その場に、ごくりと唾を飲む音が響いた。 強烈な羞恥が、津波のように押し寄せてくる。 そのとき、隣から荒い息遣いが聞こえた。 「蓮司、私の修復手術、ちゃんとできているか試してみて」 甘く湿った声が、絶えず耳に流れ込んでくる。 蓮司の押し殺した荒い吐息は、鋭い刃物のように私の心臓を突き刺した。 次の瞬間、冷たい器具が体の中に入ってきた。 「んっ!」 震えを抑えられず、涙が目尻を伝って落ちていく。 「蓮司、すごい……ねえ、私のほうがあなたを満たせる?それとも、彼女?」 蓮司の低い声が、はっきりと聞こえてきた。 「当然、君だ。あいつは俺にとって、ラブドールと大して変わらない」 心は、完全に引き裂かれた。 隣の声はますます大きくなり、部屋の熱もじわじわと上がっていく。 誰かがたまらずボタンを外した。 「俺たちも、膣拡張器の効果を試してみようか」 どれほど時間が過ぎたのか、もうわからない。涙はとっくに枯れ果てていた。 私は壊れた人形のように手術台の上に放り出され、下には赤い血が広がっていた。 蓮司は萌々を寝かしつけたあと、外へ出て煙草に火をつけた。 同時に、どこかへ電話をかける。 「星乃は家に連れて帰ったか?」 助手は二秒ほどためらってから、声を返した。 「奥様は……病院へ連れていかれたのではないのですか?」 蓮司は眉をひそめた。 そのとき、少し離れた場所から研修医たちの話し声が聞こえてきた。 「さっきの女、かなりよかったな……」 「前はデリケートゾーン専門の医師だったらしいぜ……」 蓮司の胸が、どくんと大きく跳ねた。 彼は振り返り、大股で引き返す。そして勢いよくカーテンを引き開けた。 目の前に広がる光景に、蓮司の瞳が一瞬で大きく見開かれた。