結婚記念日に愛人とデート?こんな夫は離婚一択

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結婚記念日に愛人とデート?こんな夫は離婚一択

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初恋の相手・葉山萌香(はやま もえか)と一緒になるために、桐谷俊輔(きりたに しゅんすけ)が離婚を要求してきたのは、これで38回目だった。 ...

Chương (1)

第1章

初恋の相手・葉山萌香(はやま もえか)と一緒になるために、桐谷俊輔(きりたに しゅんすけ)が離婚を要求してきたのは、これで38回目だった。 私・桐谷梨乃(きりたに りの)は俊輔がペアの水着を購入したことに気づいた。 俊輔は平然とした顔で言った。 「結婚記念日にサプライズをしようと思ってたんだ。もう知ってしまったんなら、当日は海で楽しもう」 あの日、私は早めに待ち合わせ場所に行ったけれど、結局砂浜で俊輔を一晩待ち続けることになった。 スマホを見ると、萌香がインスタを更新していた。 【海は見に行けなかったけど、あの人と世界旅行に来ちゃった。最高に幸せ】 昔の私なら、きっと騒ぎ立てて、無理やり俊輔に謝らせていたはずだ。 けれど今回、私は俊輔に離婚届を突きつけた。 第1話 初恋の相手・葉山萌香(はやま もえか)と一緒になるために、桐谷俊輔(きりたに しゅんすけ)が離婚を要求してきたのは、これで38回目だった。 私・桐谷梨乃(きりたに りの)は俊輔がペアの水着を購入したことに気づいた。 俊輔は平然とした顔で言った。 「結婚記念日にサプライズをしようと思ってたんだ。もう知ってしまったんなら、当日は海で楽しもう」 あの日、私は早めに待ち合わせ場所に行ったけれど、結局砂浜で俊輔を一晩待ち続けることになった。 スマホを見ると、萌香がインスタを更新していた。 【海は見に行けなかったけど、あの人と世界旅行に来ちゃった。最高に幸せ】 昔の私なら、きっと騒ぎ立てて、無理やり俊輔に謝らせていたはずだ。 けれど今回ばかりは、ふと、もう何もかもどうでもよくなった。 …… 砂浜で一晩中冷たい風に当たり、私は熱を出してしまった。 ホテルに戻ろうとした時、突然スマホが激しく震え、俊輔から何度も着信があった。 私は顔をしかめながら、電話に出た。 電話越しに、俊輔のうんざりした声が聞こえてくる。 「梨乃、おじいさんに何を吹き込んだんだ?」 私は眉をひそめた。「本当のことを話しただけよ」 何も嘘なんてついていない。 俊輔の祖父・桐谷裕貴(きりたに ゆうき)に、私たちがどうやって結婚記念日を過ごしたか聞かれたのだ。 俊輔が萌香を連れて世界旅行に行っていたことを伝えただけだ。 俊輔は苛立ちを隠さずに言った。「ホテルで待ってろ。迎えに行く」 私が海に来ていることは知っていたんだ。 私を一晩中ここで待たせていた自覚だってあったのに。 それでも俊輔は黙って、萌香と世界旅行に行っていたんだ。 もしかすると、萌香と二人で私のことを「愚かな女」だと笑っていたかもしれない。 実際、私は愚かだった。俊輔が改心してくれるかもしれないと期待するなんて。 黙り込む私に、俊輔が話を続けた。 「世界旅行は中止になった。萌香がひどく落ち込んでいるんだから、今度はちゃんと謝りに行ってくれよ」 笑わせるな。 正妻である私が、愛人に謝らないといけないんだなんて。 私はスマホを強く握り、掠れた声で答えた。「断るわ」 それを聞いて、俊輔は鼻で笑った。「またおじいさんに泣きつくつもりか?いつもそのやり方だな。卑怯な女だぜ」 呆れた私は、そのまま電話を切った。 ただでさえ頭が痛いのに、俊輔のせいで眩暈までひどくなった。 電話を切ると、私はそのまま道路の脇に崩れ落ちた。 意識を取り戻すと、病院特有の消毒液の臭いが鼻をついた。 目が覚めた私に看護師が駆け寄り、額に手を触れた。「やっと熱が下がりました。気分はどうですか?」 私は頷き、自分の体調について尋ねた。 看護師は点滴を替えながら言った。「熱と低血糖でした。もう少ししっかり食べないと。そして、昨日『夫』として登録されていた連絡先に電話したのですが……これを見てください」 お礼を言ってから、私はスマホを受け取った。 看護師は何度も俊輔に電話をしてくれていたが、すべて無視されていた。 すると看護師は最後にメッセージを彼に送った。 【市立総合病院から連絡いたしました。奥さんが高熱で意識を失いました。早急に来院してください】 その返信があったのは、深夜になってからだった。 残された文章は、あまりにも冷たいものだった。 【萌香が体調不良で付き添う必要がある。そっちは目が覚めたら勝手に帰ってくれ】 彼のメッセージを目にした瞬間、私は力なく笑った。 私を一晩待たせた俊輔が、萌香のために私を見捨てることを選んだのだ。 インスタを開くと、ちょうど萌香が新しい投稿をした。 プロフィールを確認すると、立て続けに写真が投稿されていた。 朝の7時、点滴を受けている萌香の手を、俊輔が握りしめている写真だ。 【体調が悪くてせっかくの世界旅行が台無しになったのに、彼は怒るどころか優しく看病してくれた】 以前に自分が体調を崩して、彼と映画に行けなくなった時のことを思い出した。 その時は、「それぐらい我慢すればいいだろ」と罵られたのに。 そして朝の8時、ミルクとクロワッサンの写真も載せられていた。 【郊外のあのお店のクロワッサンが好きだと言ったら、彼がわざわざ買ってきてくれた。最高に幸せ】 このお店、元々は俊輔が私に教えたところだ。 なのに最近私が食べたいと言うと、「たかがクロワッサンのためにわざわざ遠くまで行くかよ」と俊輔は文句を言ったのだ。 萌香の好物だったなんて。 彼女のひと言で、俊輔は喜んで車を走らせたのだ。 最後に投稿されていたのは、午後1時に撮られた、運転する俊輔の横顔の写真だった。 【この助手席は私しか座っちゃだめだって。お言葉に甘えて座っちゃった】 スマホを閉じると、もう涙が止まらなくなっていた。 私が意識を失っていたこの数時間の間に、二人は楽しく過ごしていたようだ。 第2話 点滴が終わると、私はベッドから降りて医療費を払い、そのまま病院を後にした。 海沿いの風は体に冷たく突き刺さり、思わず身震いをした。 タクシーを呼ぼうとしたその時、目の前にマセラティが止まった。 派手な赤色は、俊輔のお気に入りだ。 助手席の窓がゆっくりと開き、人当たりのよさそうな笑みを浮かべた、萌香の顔が現れた。 彼女は笑顔のまま挨拶をしてきた。「梨乃さん!ちょうど直美さんが私と買い物に行きたいとおっしゃったから、俊輔くんが私を乗せてくれたの」 桐谷直美(きりたに なおみ)は、俊輔の母親だ。 直美は萌香を溺愛しており、俊輔と私が結婚して8年経っても、まだ萌香を桐谷家の嫁にしたがっていた。 桐谷家で私に親しく接してくれるのは裕貴だけで、それ以外の人間はみんな冷たい目を向けてくるのだ。 最初は落ち込んでいたが、今ではどうでもよくなった。 俊輔は私を嫌そうに見やり、「早く乗れ。時間を無駄にするな」と言った。 萌香が後部座席に移動する気配も全くなかった。 私はその場から一歩も動かなかった。 私が動かないのを見て、萌香は首を傾げ、平然とした様子でこう言った。「梨乃さん、後部座席に座ってくれない?ちょうど今、俊輔くんと会社の件で打ち合わせをしなくちゃいけないの。ごめんなさいね」 私は萌香を冷ややかに見下ろした。「副社長である私じゃなくて、ただのモデルであるあなたと会社の話をするの?」 萌香はすぐに顔を引きつらせた。 俊輔も苛立った様子でサングラスを外し、私を睨みつけた。「梨乃、いい加減にしろ。俺たちはわざわざ迎えに来てやってるんだぞ。その態度は何だ」 隣で萌香が笑顔を作って言った。 「梨乃さん、私たちはもう長い付き合いなのに、どうしてまだ私のことが気に食わないの?もし私が俊輔くんと一緒になりたかったら、もうとっくにそうしているでしょ?」 私は萌香をじっと見たが、何も言わなかった。 当時、萌香と俊輔が別れたのは、彼女の素行に問題があったからだ。 そして裕貴は、そんな人間が大嫌いなのだ。 裕貴と私は、萌香がどのような下劣な人間なのか分かっていた。 あいにく、俊輔だけがそれを理解していないのだ。 私は一歩後ろへ下がり、車から距離を置いた。「迎えはいらないわ。タクシーに乗って帰るから」 俊輔が眉間にしわを寄せた。「梨乃、またなにか企んでるのか?おじいさんが俺がお前を一人で帰らせたことを知ったら、絶対に怒るだろ」 「それは私には関係ないでしょう?」 そう言い放ち、私は二人を振り返ることなく、タクシーを捕まえて帰路についた。 桐谷家に戻ると、直美が、私と俊輔の息子・桐谷陽太(きりたに ようた)を連れて現れた。 陽太は私に見向きもせず、一直線に俊輔と萌香のもとへ駆け寄った。 「パパ!萌香さん!やっと帰ってきた。遊び相手がいなくて退屈だったよ」 私は眉をひそめ、陽太に向かって真剣に言った。「陽太。ママには挨拶しないの?」 陽太は私を振り返ると、鼻で笑った。「ママなんていらないよ。パパが離婚して萌香さんと結婚したら、萌香さんが僕のママになるんだ」 私は怒りで胸が苦しくなった。 陽太は生まれてすぐに桐谷家に引き取られたので、私とは滅多に顔を合わせていなかった。 私が会いたくなかったのではない。直美が、頑なに会わせようとしなかったからだ。 俊輔は、これが桐谷家の子育ての方針だと私に教えた。 だが後から分かった。直美はただ、私が陽太と親しくなることを避けていただけだったのだ。 その代わり、頻繁に萌香と俊輔に、陽太を連れて遊びに出かけるよう仕向けていた。 さらに、私の悪い噂を陽太に吹き込み、私を最低な母親だと思い込ませていたのだ。 今となっては、陽太にとって私よりも萌香の方がずっと身近な存在になっている。 あれほど大切にお腹の中で育て、命がけで産んだというのに、この仕打ちだ。 胸が痛んだが、今の私にはどうすることもできない。 直美は面倒くさそうに私を一瞥した。「いい加減にしてちょうだい。帰ってきてすぐに子どもに八つ当たりするの?ずっと陽太くんの面倒を見ていたのは萌香ちゃんだし、あなたは母親としてこの子に何かしたことはあるの?」 私が何を言っても、この人たちには言い訳にしか聞こえないのだろう。 私から子どもを奪っておいて、後から母親として失格だと言い張る。あまりに理不尽だ。 萌香はすぐに取り繕った。「梨乃さんもお忙しいでしょうし。私には時間があるから、大丈夫ですよ」 直美は萌香の手を握り、こう言った。「萌香ちゃんは人気モデルなのに、毎日ちゃんと陽太くんの面倒を見てくれるわ。梨乃、感謝しなさい」 萌香は直美に寄り添って甘えた。「陽太くんを本当の息子だと思っているから、当然のことですよ」 私は4人の姿を眺めた。 どう見ても彼らこそが本当の家族であり、私はただの他人だ。 彼らを無視して、私はそのまま部屋の奥へ歩いていった。 すると、直美は私の背中に向かって罵声を浴びせ、萌香はそんな直美を甲斐甲斐しくなだめていた。 私は俊輔の部屋へ行き、直美が以前から用意していた離婚届と離婚協議書を取り出した。 直美がとっくに俊輔のサインまで終わらせた書類を準備しているのは知っていた。 離婚協議書の財産分与は妥当な内容だったが、親権は俊輔が持つことになっていた。 親権のために離婚を躊躇していたが、今日になってようやく、私は吹っ切れた。 未練はない。 このクズ男も、もういらない。 他の女を母親にしたがる子どもの親権なんて、もういらない。 第3話 「離婚するのか?」 背後から、俊輔の声が響いた。 振り返ると、俊輔が険しい顔で立っていた。 俊輔の目の前で、私はデスクに向かい、署名欄にサインをした。 そして、記入済みの離婚届と離婚協議書を手に、俊輔のもとへ歩み寄る。 「ずっと離婚したかったでしょう?望み通りにしてあげる」 俊輔は私に歩み寄り、冷たく吐き捨てた。「頭がおかしいのか?おじいさんの前で被害者ぶるのはもうやめろ」 私は言い返した。「もうどうでもいいわ。本命の女が外で待っているでしょ?」 私が本気であることを感じ取ったのか、俊輔は離婚の書類を奪い取るとゴミ箱に投げ捨てた。 「やめろ、梨乃。萌香は何も悪くないだろ。彼女に怒ってどうするんだ。 それに今日は、結婚記念日の埋め合わせがしたいんだよ。離婚だなんて縁起の悪い話はやめてくれ」 そう言いながら、俊輔は私の腰に腕を回そうとしてきた。 鼻を突くような不快な香水の匂いが、彼の体から漂っている。 萌香が一番好きな匂いだ。 しかも俊輔の首元には、萌香のリップと、同じ色のキスマークが残っていた。 俊輔が黙ったままの私の手を引き、リビングへと連れて行った。 テーブルには豪華なケーキが置かれている。 俊輔は得意げにそのケーキを指差した。 「ほら、東区までわざわざ梨乃の好きな店に行って買ってきたんだぞ」 私は一歩後ずさりし、距離を取りながら冷ややかな笑みを浮かべた。 「結婚記念日の埋め合わせ?私がいちごアレルギーであることも忘れて、よく言えたわね?」 私が重度のいちごアレルギーであることは、幼い頃に俊輔が一番に知ったのに。 小さい頃、二人でいちご狩りに行って、夢中になっていちごを食べていた。 すると、その夜に全身に蕁麻疹が広がって高熱を出し、私は意識を失ってしまった。 病院へ運ばれ、ようやく自分が「いちごアレルギー」であることを知ったのだ。 俊輔は深く後悔し、何日も眠らずに看病してくれた。 それ以来、いちごは私の生活から消えた。 あの日、萌香が現れるまでは。 萌香はいちごが大好物で、何でもかんでもいちご味のものを食べていた。 いつの間にか、俊輔は私のアレルギーのことなんて綺麗に忘れ、萌香の好みだけを優先するようになったのだ。 私の言葉を聞いて、俊輔はハッとして、説明の言葉が見つからない様子だった。 私は鼻で笑った。 「俊輔、葉山さんと結婚したいんでしょ。邪魔はしないわ」 俊輔は逆上した。 彼は自分のネクタイを引き剥がすと、勢いよくソファーに倒れ込んだ。 「さっきの言葉は取り消せ。俺の妻はずっとお前だ」 要するに、離婚するつもりはないということだ。 だが今後彼が何度浮気を繰り返そうが、別の女とどれほど関係を深めようが、もう私の知ったことではない。 「形だけの妻」という都合のいい存在を一人隣に置きたかっただけだろう。 以前なら受け入れていたかもしれないが、今はもう心は冷めきっていた。 「離婚については、弁護士から連絡させる」 それだけ告げて、私は振り返りもせずその部屋を去った。 中庭に足を踏み入れると、萌香が陽太をブランコに乗せて一緒に遊んでいた。 直美も、満面の笑みを浮かべて二人を見つめていた。 帰ろうとする私に、ブランコから降りた陽太が立ちはだかった。「萌香さんの誕生日をお祝いしないなんて、失礼だな」 一瞬、私の体が強張った。 忘れていた。今日は萌香の誕生日だった。 結婚記念日などどうでもいいはずの俊輔が、わざわざ埋め合わせをするなんておかしいと思っていた。 すべては、萌香のためだったのだ。 私はしゃがみこみ、私と顔がよく似た陽太を見つめた。 「陽太……パパとママがもし別れたら、どっちと一緒に住む?」 陽太の口から出た言葉は、私の予想した選択肢とは違っていた。 彼は真っ直ぐに、少し先の萌香を指差した。「萌香さんがいい」 私が視線を上げると、萌香がこっちに勝ち誇ったような笑みを投げかけてきた。 心を痛めないわけにはいかなかった。 あんなに大変な思いをして産んだ我が子が、両親の結婚を壊そうとする相手に懐いたなんて。 もし陽太が私を選んでくれたなら、どんな苦労をしてでも親権は手放さなかった。 だけど今、本当にもう何もかも手放していいのだと思えた。